法律家の文章(その2)

3. 「係る」について

(1) 法令において「係る」が多用される理由

 「係る」は、日常用語として、全く用いられないというわけではありませんが、主として法令や公文書などに用いられる表現で、特に、法令においては 、多用されている用語です。国語辞典(広辞苑)によれば、「係る」は、「かかわる、関係する」の意であるとされています(広辞苑)。

 「係る」は、硬い印象を与える言葉であるため、多くの地方自治体などが公表している「お役所言葉改善の手引」などの資料においては、言い換えるべき言葉の一つとして取り上げられています(杉並区役所区長室総務課編「外来語・役所ことば言い換え帳」(ぎょうせい刊)160頁)。なお、同書では、「係る」の言い換え例として、「~に関する」、「~についての」を挙げています。

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法律家の文章(その1)

1. 法律家の文章に難解な用語が使用される背景

 法律家の文章を読んで感ずるのは、日常用語としては使われないような難解な用語が使用されることが多いということです。もちろん、法律の世界には、独特の専門用語があり、必要な場合には、難解なものであっても専門用語を用いなければならないことは当然ですが、ここで取り上げるのは、それ以外の用語についてです。この記事では、このような用語の代表例として、「かかる」(このようななどの意)、「係る」(~に関係があるなどの意)、「当該」(それに当たる、そのなどの意)の3語を取り上げ、他の用語に言い換えることが可能か、他の用語に言い換えるのが適切であるかなどについて考えてみたいと思います。

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ブログの開設に当たって

このたび、祝田法律事務所のブログを開設いたしました。

当事務所は、2016年10月3日をもって、名称を「祝田(いわいだ)法律事務所」に変更したのを機に、弁護士・スタッフ一同、皆様のために、更に質の高い、充実したリーガル・サービスを提供できるよう、取り組みを新たにしてまいります。その一環として、このブログでは、裁判に関する情報、法令の改正に関する情報及び当事務所の業務に関する情報などのほか、これらに関連する皆様に役立つ情報を、随時ご紹介していきたいと考えております。

ご愛読いただければ、幸いです。