法令のトリビア(4)―法令番号(その2)

3 法令番号の用い方 法令番号は、暦年ごとに付されますので、年を異にすれば、同一の法令番号の法令が存在し得ることになります。そこで、法令の特定のために法令番号を用いるときは、法令番号の前に公布された年(元号)を冠して、「平成○○年法律第○○号」…

法令のトリビア(4)―法令番号(その1)

1 法令番号とは何か 法令番号は、法令を特定するために公布時に付される番号です。法令には、法令の種類及びその制定権者の別に応じて、暦年ごとに第1号から始まる連続番号が付されます。法令の形式に応じて、法律の場合は法律番号、政令の場合は政令番号と…

法令のトリビア(3)―官報と法令全書(その2)

4 官報の本紙と号外 官報には、本紙、号外、特別号外と特別調達公告版があります。ここにいう本紙と号外は、通常の新聞、雑誌等の本紙(本誌)、号外とは意味が異なります。すなわち、本紙は、毎号32頁の構成で発行されます。これに対し、号外は、掲載事項…

法令のトリビア(3)―官報と法令全書(その1)

今回は、法令の公布など、国の作用に関し極めて重要な役割を担っている官報とこれをまとめた月刊誌である法令全書を取り上げます。 1 官報は国の機関紙 官報は、法律、政令、条約、国の機関としての報告、法令の規定に基づく各種公告等を掲載する国の機関紙…

株式報酬制度 – 第一回 有償ストックオプション

企業会計基準委員会は、平成29年5月10日、「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等(実務対応報告公開草案第52号)を公開し、現在、これについてパブリックコメントの手続が行われている(コメントの期限は…

法令のトリビア(2)―法令の公布とその方式(その2)

4 戦後の改革と公式令の廃止 政府は、昭和21年3月14日、戦後の法制整備の一環として、「公式令に代わるべき法律の制定」を行う方針を明らかにし、政府部内で「公式法案」が検討され、昭和21年12月26日に「公式法案要綱」が作成されました。

法令のトリビア(2)―法令の公布とその方式(その1)

1 法令の成立と公布―法令は、成立しただけでは拘束力を発揮することができない 平成27年3月31日に第189回国会に提出され、2年余り継続審議となっていた民法(債権関係)改正が、平成29年5月26日、第193回国会において成立し、平成29年6月2日、民法の一…

法令のトリビア(1)―現行法令の数(その2)

3 法令集によって異なる現行法令の数 前記の法令データ提供システムは、総務省行政管理局が編纂したものですが、現行法規を網羅的に登載する民間の法令集である、衆議院法制局、参議院法制局共編「現行法規総覧」(第一法規出版・ウェブ版)では、平成28…

法令のトリビア(1)―現行法令の数(その1)

「法令のトリビア」では、法令に関する細かな雑学的知識(トリビア)を紹介します。 我が国は、成文法国ですから、法は、基本的に成文の法令の形式で存在していますが、現在の法秩序を形成している現行法令の数がどの程度であるかについては、あまり知られて…

法制執務(立法技術)とは何か(その4)

2 法制執務(立法技術)の伝統と変化 (2) 法令の改正における新旧対照表方式の登場 ア 伝統的な改正の方式 我が国における法令の改正は、これまで「改め文方式」(「改める文方式」ともいいます。)によってきました。 「改め文方式」とは、「第○条中、「A…

法制執務(立法技術)とは何か(その3)

2 法制執務(立法技術)の伝統と変化 (1) 実務慣行とその変化 法制執務上のルール又は立法技術については、その一部について、「法令における漢字使用について」(平成22年11月30日内閣法制局長官決定)のような成文のものもありますが、そのほとんどは明治…

法制執務(立法技術)とは何か(その2)

(3) 立法技術 法制執務に密接に関連する概念として、「立法技術」があります。 「立法技術」とは、一般に、法令を立案するために必要となる知識や技術の全般(集合体)をいいます、立法技術は、法令の制定の目的や趣旨を言語的に正確かつ適切に表現するため…

法制執務(立法技術)とは何か(その1)

1 法制執務と立法技術 (1) 法制執務 「法制執務」の語は、法律とこれによって成り立つ制度(法制度)などを意味する「法制」と事務を執ることを意味する「執務」との複合語ですから、文字どおりには、法律及び法制度に関する事務を行うことを意味しますが、…

法律家の文章(その4)

② 「当該各号」 「当該各号」という表現は、定義規定や施行期日を各号列記の形式で規定する場合などにおいて、「当該各号」の前にある「次の各号」を受けて、「当該各号に定めるところによる。」、「当該各号に定める日から施行する。」などの形で用いられま…

法律家の文章(その3)

4 「当該」について (1) 当該の意味と用法 「当該」は、国語辞典(大辞林)によれば、「当の」、「それにあたる」などの意で、連体詞的に用いる語であるとされています。 「当該」は、品詞としては、名詞ですが、連体詞的に用いる語ですので、「当該」の語…

法律家の文章(その2)

3. 「係る」について (1) 法令において「係る」が多用される理由 「係る」は、日常用語として、全く用いられないというわけではありませんが、主として法令や公文書などに用いられる表現で、特に、法令においては 、多用されている用語です。国語辞典(広辞…

法律家の文章(その1)

1. 法律家の文章に難解な用語が使用される背景 法律家の文章を読んで感ずるのは、日常用語としては使われないような難解な用語が使用されることが多いということです。もちろん、法律の世界には、独特の専門用語があり、必要な場合には、難解なものであって…

ブログの開設に当たって

このたび、祝田法律事務所のブログを開設いたしました。 当事務所は、2016年10月3日をもって、名称を「祝田(いわいだ)法律事務所」に変更したのを機に、弁護士・スタッフ一同、皆様のために、更に質の高い、充実したリーガル・サービスを提供できるよう、取…